1.業務アプリケーション開発業界の実態(裏側)に迫る。
他の業界から見ると、業務アプリケーション開発の業界のイメージは、「華やかで、派手で、
カッコいい」という世界だと思われている。
他の業界の人々は、最先端の技術を駆使した、業務アプリケーション開発業界に、幻像を
抱いている。
しかし、その実態(裏側)を一言でいえば、「長時間労働」という言葉に集約される。
地味で修羅場、労働環境を無視した業界といえる。
確かに労働環境を重んじる企業も中にある。しかし、業務アプリケーション開発業界の全体
を見渡すと「長時間労働」であることは否めない。
業務アプリケーション開発業界と、長時間労働の因果関係を説明する。
何故、長時間労働になるかというと、
1.この業界では残業することを前提に、作業を受注することがある。
2.競争相手との熾烈な競争により、納期までの期間が、今まで以上に短くなった。
3.納期に間に合わせるため、徹夜作業をする。
のような構図である。納期前になると徹夜が続き、家に帰れなくなる日々・・・
これが元で、離婚した、彼女にふられたというケースは、よく聞く話である。
また、エンジニアの残業が多い理由の一つに「残業時間が多いほど評価される」という
風潮が未だに残っている。教科書にも
「最後まで、責任を取れるのが、本物のエンジニアだ」
と書かれている。
しかし、無理なスケジュールを引かれて、納期に間に合わせるために精神論を持ち出す。
本当に酷な業界である。
そのような過酷な労働環境が故に、35歳定年説、40歳定年説が生まれる一つの根拠に
なっている。何故ならば、納期に間に合わせるため、長時間労働をこなせる体力が
要求されるからである。そのため、若い内しかできない業界とされている。
繰り返しになるが、業務アプリケーション業界は、一言でいうと「長時間労働」という言葉に、
集約される業界だ。
2.長時間労働の本当に怖い落とし穴。
「長時間労働」をすると疲れるし、デートをする時間がなくなる。また好きなテレビが、見れ
なくなる。土日にまとめて見ようと思い、録画しておいても見れない。何故ならば、土日は
疲れ果てて寝ているからである。まるで、戦場の兵士だ。
その他にも、いろいろな長時間労働に対する、意見はあると思う。
しかし「長時間労働」とは、そんな生易しいものではない。
「長時間労働」により、あなたの人生が台無しなってしまう可能性がある。
なぜ、人生が台無しになるのか?
うつ病である。
「うつ病」
ゆううつな気持ちが続き、全てに対して意欲がなくなる病気のことをいう。
厚生労働省は、過重労働による健康障害の防止のため、
「健康管理の措置を実施し、時間外労働をできるだけ短くすることが重要」
という基準を発表した。
厚生労働省は、長時間労働と、健康障害の因果関係を指摘している。
この健康障害には、精神疾患も含まれている。
最新の医学書によると、
「従業員の精神が崩れ、うつ病になる最大の原因は、残業による睡眠不足にある」
と、書かれてある。
何故、長時間労働をすると、うつ病になるかを説明すると
1.長時間労働をする。
2.睡眠不足が続く。
3.ホルモン(内分泌系)の異常をきたす。
というメカニズムになっている。
うつ病の典型的な兆候
1.目を合わせない、うつむいて歩く
2.眠れない
3.風邪を引きやすい
4.食欲不振
5.慢性疲労
6.下痢、便秘
この症状の中で2つ以上、当てはまるような場合、うつ病を疑った方が良い。
うつ病になると、自殺願望がでてくる。うつ病の10%の方が、自殺を図ろうとする。
統計では自殺した人の80%以上は、うつ病というデータがある。
余談であるが、「絶対に自殺はしてはいけない」。何故ならば「あなたを必要としている
人が必ずいる」からである。あなたが自殺したことによって「悲しむ人が必ずいる」から
である。残された者は、その悲しみを、一生背負わなければならない。
うつ病の最大の予防策は、「睡眠をとる」ということにある。
株式会社COBOLでは
「企業は従業員に対して、睡眠が取れないような、無理な残業をさせてはならない」
と強く考える。
ここではうつ病と長時間労働の関係について書いた。うつ病予防に、十分な睡眠をとろう。
3.日本がIT立国として、立場を確立するための秘策
先日、ある大手システムインテグレータの方が、出版した書籍を読んだ。
日本のIT業界は、アメリカ、インド、韓国、中国などに、このままでは敗退する。
資源がない日本は「IT立国」として、国際競争力を持たなければならない、という内容
が書かれていた。
その書籍の結論部分は
1.大学や、大学院で、IT教育を今以上に施し、技術者のスキルをアップさせる。
2.資格試験をもっと標準化して、さらに細分化し、技術者に競争意識を持たせる。
などの提案が書かれていた。
某氏の書いた本の内容は、非常に参考になった。しかし某氏は学者である。
実際に働いているエンジニアの立場からいうと、IT業界の成長を妨げる最大の原因は別に
あると私は考える。
私の考えるIT業界の成長を妨げる最大の原因のメカニズムは
1.長時間労働による過酷な職場環境。
2.35歳定年説、40歳定年説がいわれているように、体力が持たなくなる。
3.そして長時間労働に疲れたエンジニアは、IT業界を去り、別の業界に転職する。
4.日本の未来を担う人材が、他の業界へ流出する。
当たり前であるが、いくら教育をしても、人材が他の業界へ流出してしまえば、IT業界
の成長はない。
私は業界では、誰もが疑問と思わなかった「長時間労働」という常識に、終止符を打ち
たいと考えている。
「稼動時間の減少なくして、今後のIT業界はない。」
そして、「IT立国としての日本の未来像はない。」
そんなことを考えて、私は株式会社COBOLを運営している。
話しはそれるが、少し個人的なことを書く。
私自身も、長時間労働が続き、肉体的、精神的に病んだことがある。あの頃はうつ病という
病名はほとんど使われていなかったが、今考えると、もしかして・・・・ゾッ
と思ったりもする。
その頃は、ひどい肩こりだった。また慢性的な下痢が続き、精神的に悩まされていた。
肉体的限界を超えた、精神的緊張状態が続き、寝ていないのに、眠れない日々が続いた。
そして、そんな日々が続く中、絶対に遅刻をしてはいけない日に、遅刻をしてしまった。
現場の入り口を入り、ドキュメントが乱雑に積み上げられている、自分のデスクについてた。
カツ、カツ、カツ、誰かが近づいてくる足音が、背後から聞こえる。そして、私はリーダーから
叱咤される。
「社会人なんだから遅刻するな!」
私の感情は
「ほぼ毎日、終電まで作業が続いているのだから、たまには、仕方ないだろ〜」
と心底思いながら、口では
「以後、気をつけます」
と謝罪をした。
そのリーダーの目を見ると、疲れきっていた。髪は寝癖がついていた。少し体臭をおびて
いた。もう何日も泊り込みが、続いているようだ。
納品まじかの時期で、現場は慌しかった。修羅場と化していた。部屋中が、ピリピリして
いた。日頃は仲の良い同僚に対しても、声をかけずらい雰囲気があった。
納期まで刻一刻と迫っていた時期。線表の日々のカウントダウンが始まっていた。
正月のカウントダウンは嬉しいが、納期のカウントダウンほど、精神的苦痛はない。
しばらくして、叱咤したリーダーの気持ちを考えると、無理もないことだと思い返した。
私が悪いのではない。
叱咤したリーダーが悪いわけではない。
他のメンバーが悪いのではない。
無理なスケジュールから来る、長時間労働が、「悪」であると考えた。
話を戻すが、私は他の業界へ流出する、エンジニアの気持ちは良く分かる。
繰り返すが、日本が「IT立国」になるためには、教育や、資格整備という考え方もある。
しかし、最大の「IT立国」になる要は、エンジニアが他の業界に流出させない労働環境を
整備することである。最大のポイントは「長時間労働を改める」ことにあると私は考える。
4.読めばすぐ分かる、うつ病の予防方法
あなたが、うつ病にならないためには、どのような予防をすれば良いか。
これは株式会社COBOLが、実際に行っている事例である。しかし当社に入社しな
くても、実践できる。
■産業医の診断
「月45時間以上の残業をした従業員」に対して、強制ではないが、産業医の診断を受けさ
せている。産業医は、うつ病などのメンタルヘルス不全がないかを、診断する。
そして、この医療費は会社が全額負担とする。
■健康診断
毎年一年に1回は必ず健康診断を実施している。
35歳以上は1日人間ドック、30歳以上は生活習慣病健診、29歳以下の方は一般健診を
受ける。
そして、この費用は会社が全額負担とする。
■健康フリーダイヤル相談の設置
悩みや健康のことについて、会社や親に相談できない場合がある。そんな時のために、
電話健康相談という仕組みを用意している。
これは経験豊富な保健師、看護師、管理栄養士、臨床心理士などの専門スタッフが、
365日、24時間、フリーダイヤルで対応している。
電話がつながって話す内容は、年齢と性別、相談事だけ。匿名でも受付をしていため、
プライバシーは守られる。
そして、これに関わる電話代金、月額会費等の全ての費用は、会社が全額負担する。
当社では、このようなメンタルヘルスを、実施している。
もし実施していない会社があれば、実施した方が良い。
実施していない会社の従業員の方は、会社に実施の要求をすべきである。
交渉が決裂した場合には、自腹を切り、各機関を利用することを強くお薦めする。
5.本当は教えたくない、当社が稼動が低いと言われる企業秘密。
当社は、メンタルヘルスに力を入れていることは、既に書いた。
しかし、メンタルヘルスだけでは片手落ちである。
メンタルヘルスをやっても長時間労働が続くと、やはり体を崩す。
長時間労働の軽減が主で、メンタルへルスは従にあたる。
ここから当社、株式会社COBOLの特徴を説明する。
■株式会社COBOL
私が運営している企業の一つである。技術者は汎用機(メインフレーム)上でCOBOL言語を
使用し、金融、生保、損保などの業務アプリケーションの開発を行っている。
汎用機、COBOLの歴史は古く、ゆったりとしたスケジュールで、しっかりした設計書を作り、
テスト期間を十分取る。
多少の例外はあるが、メインフレーム上での開発は、Webアプリケーション開発と比較
にならない程、残業が少ない。
株式会社COBOLは、メインフレーム開発のバックボーンがあるから、落ち着いて
作業ができる案件が比較的多い。特に金融、生保、損保は、ゆったりとしたスケジュール
である場合が多い。
この辺が株式会社COBOLが他社と比べて、稼動が低いといわれる所以である。
そして、株式会社COBOLでは、新しいエンジニアの生き方を提案している。
■COBOL式生き方
1.COBOLは、スキルアップの強制はしない。スキルアップは、自己責任で行う。
2.COBOLのリーダーは、無責任に頑張れとは言わない。
3.COBOLのメンバーは、肩の力が抜けていて、無闇やたらに頑張らない。
長時間労働は、エンジニアだけでは、解決できない問題である。そのため、株式会社Web
ジャパンでは、このような生き方、方針を提案している。
またエンジニアの月の総稼働時間が、230時間を越える月が3ヶ月間、続いた場合、お客
さまに多少ご迷惑をおかけてしまうが、強制的にその案件は終了している。
当社はお客さまよりも、技術者の体の方を大切だと考えている。広い意味ではお客さま
も、同じ気持ちであると信じたい。
繰り返すが稼動時間の軽減と、メンタルヘルスは車で言えば両輪である。どちらが片方が
なくなっても走れなくなるのである。
6.追伸
最後まで読んでくれて、ありがとうございました。
最後に、当社の求人活動の宣伝をさせて欲しい。
健康を守るのは、他人ではない、あなた自身である。
日本が「IT立国」になるために、他社に先駆けて、株式会社COBOLは、
2つの方針を宣言した。
1.長時間労働の軽減に力を入れる
2.メンタルヘルスに力を入れる
そして資源がない日本の国をIT立国にするために、是非、ご協力、今すぐ、ご応募をお願いしたい。
お会いできることを、心待ちにしております。
株式会社COBOLの求人情報ホームページ
※上記、全ての文筆は 株式会社COBOL 代表取締役 北川達也 による
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